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2007/12/03

南京レイプドキュメンタリー、台湾で初上映(DPA 07/11/30)

前回投稿した、その晩に、「南京の真実」第1部完成試写会の日程が12月14日から来年1月に変更になったと告知がありました。 これにより、海外のメディア関係者が完成した映画を見る日も、少し遠のいたようです。

さて、今日は、先週の金曜日11月30日に台湾であった米国のドキュメンタリー映画「南京」のプレミア上映を取り上げた、ドイツのDeutsche Presse-Agentur(DPA)社の記事を紹介します(リンク先はMonsters and Critics)。

http://movies.monstersandcritics.com/news/article_1377760.php/Documentary_on_the_Rape_of_Nanking_premiers_in_Taiwan

このブログではよくあることに、「南京の真実」の紹介記事ではありませんが、映画に対する一応の言及が見られる記事になっています。

1937年に日本人がかつての中国の首都で行った大虐殺を取り上げたドキュメンタリー映画「南京」が、金曜日(11月30日)に台湾でプレミア上映された。映画によって、中国の多数の老人が体験した惨事(南京レイプの名で知られることになる)の記憶が甦る。

台北の長春戯院で開催された、この映画のプレミア上映に、米国のダン・スターマン、ビル・グッテンタグ両監督が参加した。

「日中戦争に参戦した6人の日本兵にインタビューしたが、彼らが良心の呵責を感じていないことに驚いた」とスターマンは言う。

「本作が1月にサンダンス映画祭で日本
(正しくは米国)で上映されると、日本の右翼が200万米ドルをつぎ込んで、『南京の真実』と題する映画を撮影すると発表した。その映画により、南京レイプがなかったことを明らかにするそうだ」と続ける。

映画「
南京」は、中国系アメリカ人作家アイリス・チャンの著書『ザ・レイプ・オブ・南京』に触発されて、作られた。映画は、欧米人宣教師が撮影したフィルムを用いて、1937年12月13日から始まった惨事について語る。この日、この都市(南京)は侵攻する日本軍の手に落ちた。

6週間で日本軍は約30万人の中国人を殺害し、8万人の女性を強姦して、古代以来の都市を「地上の地獄」とした。

映画では、死屍累々の様子を伝える映像や写真、中国人生存者の体験談が紹介される中、大虐殺について詳しく記した欧米人宣教師の日記が朗読される。

大虐殺の生存者である高希均教授は、プレミア上映の会場で挨拶をし、両親が自分を連れて台湾へ逃げなければ、殺されていたと話した。

「日本人を憎むのでなく、歴史を思い起こし、戦争の残忍さが再び繰り返されないようにしてほしい」と教授は語る。

南京」は米国、メキシコ、中国、香港ほか、各国で上映され、米国アカデミー賞の(長編)ドキュメンタリー部門でノミネート作品の最終候補に入っている。

(スターマン、グッテンタグ)両監督は、「南京」がいつか日本で上映されることを願っている。南京大虐殺があったことを日本政府が未だに否定しているからである。

2007年は南京レイプ70周年に当たる。南京
(事件)に関する7本の映画が製作される予定である。その中には、アイリス・チャンの著書にもとづく中国の映画も含まれる。

南京の真実」の話題は、「南京」のダン・スターマン監督の話として紹介されています。ここから、同監督が「南京の真実」のことをきちんと認識していることが分かります。

ここでの本題である「南京」は、アカデミー長編ドキュメンタリー賞のノミネート候補に入ったそうで、評判はいいようです。しかし、監督が「いつか日本で上映されることを願っている」という書き方から見て、今のところ、日本で上映する予定はないらしいです。

他の記事が南京事件の死傷者数に関して、「中国の主張では」とか「東京裁判の推計では」といった留保を付けて断定を避けていたのに対して、この記事ははっきり「日本軍は約30万人の中国人を殺害し」たと書いています。

また、南京事件をめぐる日本の動向も、事件を否定する「南京の真実」への言及や、「南京大虐殺があったことを日本政府が未だに否定している」という書き方から、事件を否定する見方が日本で根強いという印象を与えるものになっています。

ただ、事件に対する日本政府の見解に関しては、事実関係をはっきりさせる必要があるでしょう。5月31日付のAFPの記事が伝えているように、今年4月に安倍内閣は、「旧日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害又は略奪行為等があったことは否定できないと考えている」と明記した文書を発表しています。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b166179.htm

このことから、記事にあるように「南京大虐殺があったことを日本政府が未だに否定している」とはいえないと思います。ただし、文書は上に引用した箇所に続けて、具体的な件数は政府として断定できないと述べています。そのため、具体的な数を特定できない「非戦闘員の殺害又は略奪行為等」を認めることと、「約30万人」が殺害された「大虐殺」を認めることとは、必ずしも同じことではないのかもしれません。