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2008/02/01

東京のプロデューサー、南京大虐殺を再検討(UPI 08/01/30)

少し遅くなったものの、1月25日の完成披露記者会見および試写会の様子を伝えるUPIの記事が30日に発表されたので、今日はそれを取り上げます。

http://www.upiasiaonline.com/Politics/2008/01/30/tokyo_producer_revisits_nanking_massacre/7416/
日本の知識人、社会運動家、ジャーナリスト、党派を超えた政治家の一団が南京事件の真実を議論する国際的な「裁判」を主催しようと準備している。事件は1937-38年の冬に中国の南京で起こり、よりはっきりと南京大虐殺とも呼ばれる。

インターネットによる文化フォーラム「チャンネル桜」を主宰する水島総は金曜日
(1月25日)に東京で、「南京国際大法廷」と称するものをこの夏に東京で開く、と語った。

戦時中の出来事に関しては、これまで数多くの著作が出版されている。中でも、日本兵が中国人一般市民に対して行ったといわれる残虐行為を描いたアイリス・チャンの1997年のノンフィクション『
ザ・レイプ・オブ・南京 第二次世界大戦の忘れられたホロコースト』が最も有名である。

しかし、水島は日本国内の多くの人々とともに、その種の記述が伝える事柄に異を唱えている。彼によれば、「あったという人たちも含めて、公の場で堂々と公平に議論を重ねれば」、組織的な大虐殺やレイプがなかったことが明らかになるという。

この民間の計画は、70年前に占領された南京で起こった出来事に関する、あらゆる見方を取り上げるものになる、と水島は言う。中国やハリウッドで製作された映画のプロデューサーたちに参加を呼びかけるという。

日本による南京占領の災禍を何らかの形で描き出す約10本の映画が世界中で製作され、公開されている。発表された数字をもとに水島が計算したところによると、それらの映画に約300億円がかけられているという。

水島の主張によると、中国政府が主導しているという、この大規模なプロパガンダキャンペーンは「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館」の改装と並行して進められている。

1年間にわたる大規模な改修と拡張を終え、昨年
(2007年)12月に記念館が再び開館すると、隈丸優次・在上海日本総領事が中国政府に対し懸念を表明した。総領事は「事実に疑いのある展示がある」とし、展示によって「日本人への恨みや反感」が引き起こされかねないと警告した。総領事はまた、さまざまな研究者が疑問視する数字である「犠牲者30万人」を記念館が示していることも批判した。

水島は「南京の真実」と題する映画のプロデューサーでもあり、金曜日に東京で映画の試写会を開いた。映画の資金は、彼の言い方に従えば、全国5500人以上の人々からの寄付金によってまかなわれた。彼らは、戦時中の日本にとって最悪の出来事の真相が明らかにされるところを見たいと思っているという。映画は当時の中国の首都で、城壁に囲まれた南京の町が占領された直後に、市内で撮られた映像を紹介する。市内で大量殺害が行われていたことを示すものは映画に一切、出てこない。

映画の後半は、極東国際軍事裁判でA級戦犯とされた7人の日本の軍指導者が1948年に絞首刑に処されるまでの経緯を詳細に再現したものになっている。

水島は7人の苦闘や愛国心の噴出、巣鴨プリズンで教誨師の僧侶と経を唱える中で彼らが見出した慰めを描いていく。拘置所が映画のために忠実に再現された。

映画の末尾では、1937年の南京攻略に参加した何人かの元兵士が自らの経験を証言する。彼らの話によれば、南京門を入った軍の指揮官で、東京裁判で死刑判決を受けた松井石根大将から厳しい軍紀を課されたという。ある兵士はむやみな殺人や略奪や強姦をしないよう命じられたと話した。

戸井田徹衆議院議員によると、東京裁判の弁護側の資料が今年の3月31日から公開されるという。この資料によって、ずっと昔に起こったものの、今なお日中両国民の間で激情をかき立てる力をもつ出来事に新たな光が投げかけられることが期待される、と同議員は語る。

記者会見と試写会の両方の様子を伝える記事で、映画の内容にも少し立ち入って触れています。ただし、映画に対する感想をうかがわせる文句は見られません。

前回、紹介したAFPの報道同様、ここでも、水島監督がこの夏に開催する予定の「南京国際大法廷」が大きく取り上げられており、この話題が記事の導入になっています。

記事は全体に水島監督をはじめとする「南京の真実」関係者に配慮している印象を受けます。他のほとんどの報道が水島監督や支持者を「ナショナリスト」とか「右翼」と呼んでいたのに対し、ここではそのような表現は見られません。また、アイリス・チャンの著書に触れたところで「日本兵が中国人一般市民に対して行ったといわれる残虐行為」として、「といわれる」を挿入しているところにも、そのような配慮が感じられます。もっとも、それを扱ったチャンの著書は「ノンフィクション」と呼ばれていますが。

水島監督は「多くの人々とともに」旧日本軍の残虐行為に「異を唱えている」といわれています。記事の中に、映画の製作費を「全国5500人以上の人々からの寄付金」によってまかなったと書かれているので、その辺りの数字を念頭に「多くの人々」といっているのかもしれません。

途中、拡張工事を終えて再開館した南京大虐殺記念館の展示に隈丸優次・在上海総領事が見直しを申し入れたことが書かれています。しかし、映画と直接、関係のない話題で、ここで言及することには少し無理がある気がします。この話題の中で「犠牲者30万人」として出てくるのが記事の中で唯一示される南京事件の犠牲者数の推計です。ただし、それも「さまざまな研究者が疑問視する数字」といわれています。同じUPIの記事でも、前回の製作発表のときの報道に見られた「大半の歴史家は、大日本帝国軍が1937年に南京で20万人の中国人を殺害したと考える」といった指摘は今回の報道には見られません。

2007/09/11

南京大虐殺否定する映画を計画(UPI 07/01/26)

ここしばらく「南京の真実」に言及した記事が見られなかったので、今日は、製作発表記者会見直後の1月26日に発表された米国の大手通信社United Press International(UPI)の記事を紹介します。

http://www.upi.com/NewsTrack/Top_News/2007/01/26/planned_movie_denies_nanking_massacre/9722/
日本人監督が1本のドキュメンタリー映画の企画を立てている。その映画で、第2次大戦中に南京で20万人の人々が虐殺されたという話は、中国のプロパガンダに帰される。

南京の真実」の監督・制作の水島総が、木曜日に東京で開かれた記者会見で、企画を明らかにした。2人の国会議員や学者、映画批評家などからなる約40人の人々が応援のために発表にかけつけた、とJapan Timesは報じる。

もう1本のドキュメンタリー映画「
南京」が先月、米国のサンダンス映画祭で上映された。「南京」は1937年当時、この町で暮らしていた人々へのインタビューを織り込んでいる。

アイリス・チャンの著書『
ザ・レイプ・オブ・南京』を下敷きにした映画も製作が進められている。

大半の歴史家は、大日本帝国軍が1937年に南京で20万人の中国人を殺害したと考えるが、水島は意見を異にする。

「正しい歴史認識を伝える責任を痛感している」と監督は述べる。

会見を取り上げた記事の中では、短く、あっさりしたものです。

少し注意して読むと分かりますが、この記事は何点か誤りを含んでいます。 まず、会見があったのは、「木曜日」と書かれていますが、正しくは1月24日水曜日です。 次に、会見に「2人の国会議員」が出席したと書いてありますが、会見に臨んだ国会議員は衆議員10人、参議員2人の計12人のようです。 最後に、ドキュメンタリー映画「南京」が「先月」(2006年12月)、「サンダンス映画祭で上映された」となっていますが、映画祭の開催は1月。つまり、記事が書かれた時点に合わせれば、「今月」になるわけです。「南京の真実」公式サイトによれば、UPI社の記者も会見に「参加」したそうですが、それを疑いたくなるような、ずさんな記事になっています。

この記事が情報源として挙げているJapan Timesの記事は下のリンクからご覧ください。

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20070125a3.html

Japan Timesは日本の新聞であるため、このブログの原則上、同紙の記事に立ち入ることはしません。

話は変わりますが、以前に水島監督らが南京事件に関連して宣言文をAFP社に送付したことについては、当の5月31日付の同社の記事を紹介しました。宣言文は同社に加盟するフランスの主要報道機関にも送信されたそうですが、その後、フランスのメディアでこの宣言文を取り上げたものは、見当たりませんでした。ところが、フランスの週刊誌Nouvel Observateurの8月16日号の記事が簡単にですが、宣言文に言及しました。

http://hebdo.nouvelobs.com/hebdo/parution/p2232/articles/a352406-.html

そこで、該当箇所のみ訳出します。

日中戦争勃発と南京劫掠からちょうど70年を経て、日本の否定論者たちが、この記念の年を彼らの精神動員のための重要な一こまにしようとしていることは事実である。講演会、研究会、著作の出版を彼らは計画している。ルネ・レモンの「歴史のための自由」アピールをためらいなく曲解する者もいる。この文書が正に政治に対する歴史研究の自律性を擁護するものであることを知らないような振りをして、そうするのである。

先日、ここで指摘したのと同じように、この記事も、水島監督らのアピールを歴史学の自由それ自体を擁護するものとは受け取っていません。

記事は「南京の真実」には一切、触れていませんが、6月に「南京問題小委員会」総括記者会見を開いた「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の中山成彬会長や、『「南京事件」の探求』(文春新書)の著者である北村稔・立命館大学教授へのインタビューも入れて、フランス語のものとしては、かなり踏み込んだものになっています。幸い、cm23671881さんのPAGES D'ECRITUREというブログに邦訳があるので、興味をお持ちの方は、一読を勧めます。

http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10043885555.html
http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10044002903.html
http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10044103897.html
http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10044237108.html